アイスランドの食文化 ハンギキョート
公開日:2016年11月29日 最終更新日:2018年6月1日 Hokuo Guide
クリスマスの食べ物 羊の燻製 ハンギキョート
アイスランドのクリスマスに欠かせない食べ物の一つ、それが「Hangikjöt」(ハンギキョート・ハンギキョット)=「Hung meat 吊るされた肉」です。ハンギキョートは、簡単にいうとスモークラム。羊の燻製です。ラム、またはマトン(伝統的には馬肉も)の肉(特に後ろ足が好まれます。)をアイスランディックバーチ(Icelandic birch 樺の木の仲間)や乾燥した羊糞などを用いてじっくりと燻製にしたもので、その昔はキッチンに数カ月も吊るして作っていたというアイスランドの伝統的な食べ物です。
現在では、軽く燻製にしたものや、より伝統的な味わいに近づけるために二度燻製したものなどが市販されており、アイスランドの人々はクリスマスの時期(※)になるとそれぞれの家庭で、ボイルしたものを切り分けて、冷製、または温かいものにベシャメルソースをかけ、ジャガイモやグリーンピースなどの付け合せの野菜や、Flatkaka、Rúgbrauð、Laufabrauðなどと呼ばれるパンなどと一緒に味わいます。よく燻製されたものはイタリアのプロシュートのように薄切りにしてメロンと共に食べることもあるといいます。近年の調査では、実に90パーセントのアイスランド人が休暇中に一度はこの「ハンギキョート」を食する、という結果も出ているとか。まさにアイスランドの国民的な料理の一つですね。
※ アイスランドで「Þorri」と呼ばれる真冬(1月中旬〜2月中旬)の時期に行われるウィンターフェスティバル「Þorrablót」の際にも食されます。