スキール
公開日:2017年11月29日 最終更新日:2023年5月26日 Hokuo Guide
アイスランドの食文化 スキール
今日は、アイスランドの伝統的な発酵食品「スキール(Skyr)」をご紹介します。
スキールは、ひとことで言ってしまえば「ヨーグルト」のようなもの。高タンパク低脂肪の乳製品で、ヨーグルトよりも固く、味はややまろやかで甘みも感じられる食べ物。チーズを作る際に用いられる「レンネット」が使われているので、正式にはヨーグルトではなく、チーズの一種に分類される食べ物です。
スキール
スキールの歴史は古く、1000年以上も前にノルウェーから持ち込まれたものと言われます。元々は保存食として食されていたもので、昔のスキールは豆腐のようにかっちりとしていたとか。スカンジナビアの他の国々ではスキールを日常的に使う伝統は随分と廃れたものの、アイスランドでは現在も日常的に食べられている食品なのです。
スキールはカルシウムとビタミンも豊富に含む栄養的にも優れた食べ物で、アイスランドの人々はヨーグルトのように製品化されたもの(甘味や香りがついた製品も沢山あります。)をスーパーマーケットなどで購入して砂糖や生クリームなどを混ぜて食後のデザートやおやつ、軽食として食べたり、ケーキを作る際に用いたり、シリアルと混ぜたりして食べています。
また、伝統的なアイスランド料理の一つで、「混ぜる・撹拌する」というような意味を持つ食べ物「hræringur」は、スキールと、ほぼ同量の粥(麦粥・燕麦粥・ポリッジ)を合わせたもの。そのほか、魚料理などにも用いられる、アイスランドの食文化には欠かせない食品なのです。