北欧で見るオーロラ
公開日:2007年1月30日 最終更新日:2019年5月13日 Hokuo Guide
北欧でオーロラを見る
オーロラって?
時に、上空100キロメートル以上の高さにまで達するという光のカーテン、「オーロラ」(Aurora)。ヨーロッパの位置する北極側で見られるオーロラ(Aurora borealis)は、英語で「northern lights」(ノーザンライツ)、「polar lights」 (北極光)などとも呼ばれ、その神秘的な天空の光の現象は「一生に一度は見たい絶景」の一つともいわれます。その美しくも幻想的な光のゆらめきは、いつの時代の人々も魅了し、また畏怖させ、多くの神話や古文書にも登場します。「天が裂けたところ」と考えられたり、「戦争や災害の前触れ」と考えられた時代もあったとか。北欧ではオーロラは「死者の世界と生者の世界を結びつける」存在と考えられていたようです。そんなオーロラの正体は何かというと、実はまだよくわかっていません。太陽風に含まれる帯電微粒子によって起きるといわれていますが、現代の科学をもってしてもすべては詳しくわかっておらず、まだまだ研究中のようです。
オーロラの見える時期
オーロラは基本的に空気の澄んだ冬によく観察されます。一年中現れる可能性がありますが、いかんせん北欧の夏は白夜。オーロラ帯である地域は、時期によっては日が沈まないので、明るすぎて見えません。そんなわけで、一般的に空気が澄んで寒い冬の良く晴れた日に、オーロラを見られるチャンスが高いということになります。一般的には11月頃から3月頃までがオーロラ観測に適した時期となります。
オーロラの見られる主な場所
そんなオーロラは北緯60度から北緯70度の「オーロラ帯」(オーロラベルト)と呼ばれるエリアで見ることが出来ます。世界的に見るとアラスカやカナダもオーロラの観測地として有名ですが、町から離れた場所に行かなくてはいけないことも多いですが、高緯度に位置する北欧の国々では、アラスカやカナダと違い、普通の町でもオーロラを観測できることで知られています。
スウェーデン
キルナ、イエリヴァーレ、「アイスホテル」で有名なユッカスヤルヴィ、ヨックモックなど
フィンランド
ロヴァニエミ、サーリセルカ、レヴィ、ユッラスなど
ノルウェー
ヨーロッパ最北端のノールカップの入り口ホニングスヴォーグ、アルタ、カラショク、トロムソ、トロンハイムなど
アイスランド
首都レイキャビク近郊、アクレイリなど
関連ページ → アイスランドで見るオーロラ
これらの町が北欧でオーロラを見る拠点として適当な場所です。勿論、オーロラ帯であれば、どこの場所からでも見える可能性はありますし、オーロラ帯から外れていても、見られる可能性はあります。どちらにしても、景色と共に美しいオーロラの写真を撮影したい場合は、トロムソなどの都市部に近い観測スポットへ、肉眼で綺麗なオーロラを見たい場合は出来ることなら都市部から離れた光の少ない暗い山の中やフィヨルドに面した場所がよいでしょう。
オーロラ観測の際の服装
北欧は一般的に極寒の地というイメージがありますが、アイスランドやノルウェーの沿岸部などは実は海流の影響もあり、冬場でもマイナス5度前後と、極寒という程の寒さではない日も多く、それほど厳重な寒さ装備を必要としない日もあります。とはいえ0度以下の環境で、数十分から数時間、オーロラの出現を待ったり、オーロラが輝くのを観察するのは体にこたえるのは間違いありません。また、天候によっては気温もぐっと下がることもあるので、重ね着を念頭に、ヒートテックなどの下着、長そでシャツ、ダウンジャケットは必須。特に首筋と頭は、体温が放出されてしまう場所ですので、十分温かくしましょう。さらに寒さは足元からも来ますので、靴下は出来れば少し良いものを選ぶのがお勧め。山やアウトドアの店に行くと、上質なものが手に入るのでお勧めです。靴も特別高価な極寒用のブーツを買う必要こそありませんが、出来るだけ温かいものがあると便利です。スウェーデンやフィンランドなどの内陸部はさらに寒くなりますので、相応の装備を準備しましょう。