デンマークのチーズ

デンマークのチーズ

酪農王国デンマークのチーズ

酪農王国として知られるデンマークは、チーズの生産も盛んです。フランスをはじめ、スイスやオランダ、ドイツなどヨーロッパ諸国から、陸路、海路を通じて伝わったといわれる様々なチーズの製造法を参考に、デンマーク独自のチーズ文化が花開きました。

もしかしたら、「デンマークチーズ」と聞いてもフランスやイタリアのチーズと比べると馴染がないように感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば、パンやお菓子などにも多く使われる「クリームチーズ」、第二次世界大戦後に日本に最初に伝わったのはデンマーク産のもの。フランスのロックフォールを参考に作られたダナブルーなどの青かびチーズも有名で、日本にも輸入され、デパートやスーパーマーケットに並んでいます。そのほか、サムソー島が原産のサムソーや、マリボー、ダンボーなどもよく知られており、日本でも親しまれています。というわけでデンマークのチーズの代表的なものをご紹介しましょう。

ダナブルー

青かびチーズ(ブルーチーズ)

ダナブルー(Danablu)

世界三大ブルーの一つとされるフランスの「ロックフォール」を参考に作られたデンマークを代表するチーズ。「ダーニッシュ・ロックフォール」が「ダーニッシュ・ブルー」となり、いつしか「ダナブルー」と呼ばれるようになったといわれるチーズです。ロックフォールは羊乳を使いますが、このダナブルーは牛乳を原料として用いており、白っぽい色をした中に色味鮮やかな青緑色の青かびがつまっているのが特徴のチーズです。ブルーチーズ独特の塩味と、ぴりっとした味わいをもっており、水分が少ない、しまった食感をしています。風味が強いのでワインは赤のフルボディがよく合います。レーズンパンやくるみパンと食べると美味。バターや生クリームなどを加えてスプレッドにしたり、ドレッシング、パスタソースなどにも用いられます。デンマーク産ブルーチーズ(ダナブルー)とよばれるものには、色々なメーカーやブランド名のものがありますが、比較的どれも似ています。

ブルー・キャステロ(Blue Castello)

淡いクリーム色のチーズに、マーブル様に緑色がかった青カビが混じったチーズです。シャープな味わいのダナブルーに比して、このブルー・キャステロ(キャステロブルー)は比較的クリーミーで、ブルーチーズの中でも食べやすいチーズとして親しまれています。バゲットや、レーズン、くるみパンなどと共に食べるのがおすすめ。洋ナシや蜂蜜ともベストマッチです。ワインはミドルボディからフルボディの赤ワインがよく合います。そのまま食べるほか、オムレツなどの卵料理やサラダ、ディップなどに。サンドイッチにも用いられます。

ミセラ(Mycella)

ゴルゴンゾーラをお手本に作られたといわれるミセラは、「バルト海の宝石」とも称されるデンマークの島「ボーンホルム島」の良質な牧草を食べて育った牛の乳から作られる、ブルーチーズ本来の味わいをしっかりと持ったチーズです。淡いクリーム色の中に緑がかった青かびが混じるこのチーズは、かつては生産量も少なくデンマーク国外にはあまり輸出されずにデンマーク国内でほぼ消費されていた上、生産農家の減少で一時は生産が途絶えそうになったという歴史もあり、「幻のブルーチーズ」とも呼ばれました。その後生産が再開され、現在は世界三大ブルーチーズにも引けを取らない美味なブルーチーズとして、世界中のブルーチーズファンに親しまれるチーズとなっています。そのしっかりとした味わいは、クルミやブドウなどが入ったパンによく合います。ワインはフルボディの赤、またはポートワインなどの酒精強化した甘めのワインもあいます。ゴルゴンゾーラの代わりとしてパスタのソースにも適しています。

ブラビット(Bla vit)

表面は白カビに覆われた中に、青かびが混じった淡いクリーム色をした中身がつまったチーズ。クセの強そうなその見た目に反して、まるでバターを思わせるような味わいのチーズで、まろやかで口どけもよく、クセもあまりないため、青かび系のチーズが苦手な方でも食べやすいチーズといわれます。青かびチーズと白かびチーズの両方の良さを兼ね備えたようなクリーミーな味わいなので、ワインは軽めの赤を。コーヒーや紅茶にも合います。おつまみとしてのほか、りんごと共に食べたり、パンに塗ったり、ブドウパンと食べたり。デザートとしても使えます。

ウォッシュタイプ

マルキ(Marquis)

クリームチーズやセミハード、ハード系、青かびチーズが多いデンマーク産のチーズの中では、比較的珍しいウォッシュタイプのチーズ。ウォッシュチーズならではの強い香り。塩味はあまり強くありません。熟成が進むと共に濃いオレンジ色になる表皮には、赤カビと白カビがつき、縦にでこぼこの筋が入っています。中身は柔らかくねっとりと濃厚で、熟成が進むと共に芳醇な味わいがさらに増します。そのままは勿論、パンやクラッカーに塗ったり、ゆでたジャガイモによく合うほか、洋ナシやドライイチジク、ライ麦パンのような香りが強いパンにもよく合います。飲み物はフルボディの赤ワインで。甘めの白ワインや日本酒にもあいます。

白カビ

ホワイトキャステロ(White castello)

白カビチーズならではの芳醇な香りと豊かな味わいをもったホワイトキャステロ(キャステロホワイト)はクリーム色の中身に白カビの表皮が特徴のチーズ。白カビチーズの中では口当たりがよいクリーミーなチーズとして知られます。乳脂肪分が高い為に、熟成が進んでも風味が比較的まろやかで柔らかなため、白カビチーズにあまり慣れていない方でも食べやすいチーズです。バターのようなコクもあり、バゲットや全粒粉パン、ライ麦パン、飲み物は軽めの赤ワインのほか、コーヒーなどにもよく合います。

非熟成タイプ

クリームチーズ

プレーンのほか、レーズンやアーモンド、オレンジピール、トマト、黒胡椒やガーリック、ハーブ類など、様々なもので風味豊かに仕上げられたものが出回っているクリームチーズは、まろやかで優しい味わいが特徴のチーズ。デンマーク産のものは品質が高く風味豊かなクリームチーズとして、世界中で人気があります。非熟成タイプのチーズな為、作られてから日が浅い新鮮なものほど美味。パンやベーグル、クラッカーなど色々なものと相性がよく、お菓子作りにも用いられます。

セミハード、ハード

ダンボー(Danbo)デンマーク

マリボー、サムソーと共にデンマークの代表的なチーズとして知られるダンボー。デンマーク国内のチーズ生産の20パーセントをしめるという、デンマークで人気ナンバー1のチーズです。独特な香りと、まろやかでバターのような味わいをもち、甘味もあります。スライスしてサンドイッチなどに用いられるほか、溶けやすいので、チーズトーストやピザなどの加熱料理にも向いています。飲み物は、ジュースや白ワイン、ビールなどに良く合います。デンマークではキャラウェイシードが入ったものなども売られています。

マリボー(Maribo)

デンマークのローランド島の町の名に由来するというマリボーは、デンマークチーズの中でも早くから日本に輸入されたお馴染みのチーズ。オランダのゴーダチーズを参考に作られたといわれるチーズです。小さな気孔が沢山ある見た目、まろやかで優しい味わいと微かな酸味を持ったマリボーは、サンドイッチやオードブルに最適です。飲み物はビール、軽めの白ワイン、赤ワイン、またはコーヒー、紅茶、スパークリングウォーターなど。溶けやすいので、料理に用いやすく、チーズトーストやピザ、グラタン、ハンバーグなどにのせても美味です。

サムソー(Samsø)

日本にはマリボーと共に早くから入ってきたサムソーは、クセがなく、甘味もあってマイルドな味わいが人気のチーズ。19世紀初めに、デンマーク王に招かれたスイスのチーズ製造者が、デンマーク人の農家に「エメンタール」の製造法を伝授したのがその発祥と伝えられるチーズです。名前は、産地である、ユトランド半島の沖合15キロメートルに浮かぶサムソー島(サムセー島)から。その食べやすさのため、大人から子供まで万人受けするチーズです。そのままや、サンドイッチは勿論、ピザなどにも使えます。飲み物は、軽めの赤ワインや白ワイン、ビールなどがよく合います。熟成が5か月以上のものは旨味に奥行きが出て、また一味違ったものに。甘味やナッツのような風味に加えて、豊かな香りとコクが出ます。

ハヴァティ(Havarti)

100年以上に渡って伝統的に生産されているという、デンマークを代表するチーズの一つハヴァティ(ハバティ)は、デンマークのチーズ作りの先駆けとして知られるハンナ・ニールセンの農場の名から名付けられたチーズです。しっかりとした風味ながらも、口当たりがいい為、誰でも食べやすいのが特徴。サンドイッチに良く合うほか、ハンバーガーやグラタンなどにも合います。飲み物は白ワインで。

クリーミー・ハヴァティ(Creamy Havarti)

デンマークのチーズの中でも風味豊かなチーズとして知られるクリーミーハヴァティ(クリーミーハバティ)は、その名の通り、「ハヴァティ」に脂肪分を加えてクリーミーにしたチーズ。淡い黄色をしたチーズで気孔があり、脂肪分60%と濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。しなやかでコクがあって濃厚な味わいの中に僅かに酸味があり、熟成が進むとさらにコクが出て、ぴりっとした後味になります。辛口の白ワインと共に。きゅうりやトマトなどのスライスとパンにのせて食べると美味。サラミやオニオンスライスものせて加熱してチーズトーストも最高です。デンマークではキャラウェイシード、ディルが入ったものも。

いかがでしたでしょうか。デンマークに訪れた際にはもちろん、日本でも手に入るものも少なくないので、お店などで見かけたら、是非試してみてくださいね。