北欧の白夜

白夜

「白夜」、その字が示す通り、暗闇にならない明るい夜です。特定の場所において特定の時期に、太陽は地表または水平線をなめるようにして、完全に沈まずにまたそのまま昇り始めます。また、地(水)平線下に沈んでも、その数時間後にはまた昇り始めるので、夕方からそのまま明け方になるように、空は明るさを保ったまま又新しい一日が始まるのです。暗くならないので、人々は比較的遅い時間になっても思い思いに散歩したり戸外で飲んだり食べたり作業をしたりと、その明るさの恩恵を享受しながら過ごします。

夕食後も明るいので、子供たちが比較的遅い時間まで自転車に乗ったりサッカーをしたりして遊んでいる風景も見られます。その一方体内時計がどうしても狂いがちな為、寝不足気味になる人も少なくないそうです。家によっては、分厚いカーテンをしめ遮光をしっかりしている様子が見受けられます。

「白夜」は感覚的には、昼間が続くというよりも、夕方と朝方がうんと長くなるという感じです。天気の良い日には、町がオレンジ色に染まり始めてもその状態がしばらく続き、
外来者にとっては、まるで時が止まったような、懐かしさと切なさがこみ上げるような不思議な時間が流れます。

白夜は地球の地軸が傾いている為におこります。地軸は、約23度傾いているので、北、南ともそれぞれの夏の時期になると、北緯南緯それぞれ約67度以上の高緯度の地域で、地球がくるりと一周しても常に太陽が見えているという状況になるわけです。

北欧においては、基本的に上(北)に行けば行くほど、白夜の時期が長くなり、明るい時間も長くなるということになります。夏の時期には、その他のヨーロッパ諸国同様、遅い時間まで野外で催行されるクラッシックやジャズ等のコンサートやフェスティバルが各地で開催されます。

夏至祭り

夏至の日の前夜には、北欧諸国の各地で、一晩中(「晩」といっても勿論暗闇にはならず明るいのですが)飲み食い歌い、踊り明かしたりするお祭りが開催されます。

スウェーデン

「ミッドソッマー・ダーゲン(Midsommardagen )」
冬の長い北欧で、クリスマスと並び称されるほどの特別な日である夏至。短く貴重な夏の、昼がもっとも長い一日をスウェーデンの人々も盛大に祝います。都会の多くの人が出身地に帰ったり田舎に行ったりするので、都市部は閑散とした雰囲気になるほど。前日の晩から、伝統的な料理を食べたり、集まった家族や友人と共に飲み食い歌い踊り明かします。

フィンランド

「ユハンヌス(Juhannus)」
「夏至祭」はフィンランド語でユハンヌスといいます。夏至のある週の週末に行われ、フィンランドでも夏の代表的なお祭りです。
人々は都会を離れ、友人や家族と集まってパーティーをしたり、別荘に行ったり、キャンプをしたりして過ごします。この「夏至祭り」の日には、コッコ(Kokko)という薪を燃やして焚き火をする風習があり、夜になると、湖畔や開けた空き地でその光景を見る事ができます。
特に、船を燃やして、悪いものを追払う「ユハンヌス・コッコ」というのが圧巻です。煙が悪を追い払うと伝えられているそうです。
またユハンヌスの前夜には、7種類の花を枕の下に入れて寝ると、将来の伴侶の夢を見るという言い伝えがあります。ムーミンの中でも関連する話がありましたね。
また野外コンサートやライブもこの日に多く行われます。

ノルウェー

「サンハンスアフテン・聖ハンスの夜(Sankt hans aften)」
ノルウェーでは6月24日の聖人の誕生日にあわせ、前夜から湖畔や浜辺で大きな焚き火をして、お祝いします。

デンマーク

「サンハンスアフテン・聖ハンスの夜(Sankt hans aften)」
ノルウェー同様、前日から海岸や湖畔、野原で焚き火をしてお祝いします。

アイスランド

「ヨンミサ(Jonsmessa)」
ノルウェーやデンマークと同じようにアイスランドでも24日が聖人の日で前夜は特別な日になります。しかし、他国のように森林資源が豊かではないので、焚き火をして祝うというのはあまり一般的ではないようです。ミサの前夜には牛が人間の言葉を話したり、アザラシが人間に変身したりするという言い伝えがあるそうです。


白夜の北欧(夜の風景)